予防医学指導士 稲川竜生の“健康美人塾“ -2
稲川 竜生
日本予防医学会認定 予防医学指導士
日本アクティブエイジ指導協会 代表理事
増えている超加工食品を3カ月摂取し続けると身体が加工体質になる!?
突然ですが、みなさんは「超加工食品」を知っていますか?簡単にいうと「過度に加工された食品」のことです。
保存性や利便性を高めるために加工され、保存料が大量に入っている美味しく長持ちする様々な食品群が超加工食品だったりします。
しかし、超加工食品による健康への危険性が近年、多くの論文で指摘されています。利便性や味を優先した結果、健康や寿命を損なってしまっては本末転倒です。
一体どういった食品が「超加工食品」として危険なのでしょうか?超加工食品の危険性について少しお話しましょう。
「超加工食品」とは、糖分・塩分・脂肪を多く含む加工済みの食品のこと。主に、硬化油・添加糖・香味料・乳化剤・保存料などの添加物が使われ、工業的な工程で作られる食品を指します。
なぜ、私たちは超加工食品を毎日たくさん食べてしまうのでしょうか?当然すぎる答えですが「美味しいから」です。超加工食品には「脂肪と糖質」「脂肪と塩分」「糖質と塩分」がきっちりと組み合わされた食品が多く、“超嗜好性ミックス”とも呼ばれています。
具体的には、ポテトチップス、菓子パン、カップ麺、クッキー、ビスケット、冷凍ピザ、コンビニで売られる電子レンジで温めるだけのパスタや麺類などが該当します。
みなさんの中に「1回も食べたことない」という方はいないのではないでしょうか?それどころか、毎日コンビニを利用している方も多いかもしれません。(かくいう私も某じゃがりこファンでもあります)
こうした「超加工食品」をより明確に定義するため、2009年にブラジル・サンパウロ大学の研究者たちが提唱した食品の分類方法である「NOVA分類」が有名です。NOVA分類では、食品を加工度合いによって以下の4つのグループに分けています。
グループ1:未加工または最小限加工された食品
自然のままの食品や、洗浄、乾燥、冷凍など最低限の加工が施された食品です。例えば、生の果物、野菜、肉、魚、卵など保存が効かない食品やはちみつ、ナッツ、ドライフルーツ、無農薬のお米などが含まれます。(ちなみに私は日本の3か所の田んぼで無農薬米を栽培し、年に300㎏以上収穫しています)
「BE-MAX RAW FOOD」 =リビングフード(生きている食品)はこれに入ります。身体に良いですよね!
グループ2:味や保存性を高めるために加工された料理用原材料
グループ1に保存性を高めたり風味を付けたりするため塩や甘味、酢、バター、オリーブオイルなどが加えられた食品です。例えば、キムチ、梅干し、塩漬けの野菜、おにぎり、寿司、全粒粉の蕎麦やベーグル、果物やトマトのシロップ漬け、濃縮還元でない無糖の果物ジュース、牛乳などです。
このグループ1とグループ2の食品の割合を、日々の食事の中でどれだけ増やせるかが重要です。理想としては、全体の80%以上をこの2グループの食品で占めるのが望ましいとされています。
グループ3:加工食品
2つ以上の種類の食品を組み合わせて作られた食品で、通常は調理するための食材として使用されます。例えば、シュウマイや餃子、焼きそばや中華料理全般、バーベキューや焼き肉、丼もの、パスタ、食パン加糖の果物ジュースや濃縮還元野菜ジュース、加糖ヨーグルトなどです。
グループ4:超加工食品
工業的な製造過程を経て作られ、多くの添加物が含まれた食品。通常、5種類以上の原材料や多種の添加物・保存料・甘味料などが使われています。ポテトチップス等スナック菓子、ソーセージ・ハム等加工肉、菓子パン、カップ麺、クッキー、ビスケット、ケーキ、冷凍ピザ温めるだけのパスタ、エナジードリング、ソーダ飲料などがあります。
実は、東京大学の調査によると1 日の総エネルギー摂取量のうち私たちの食事は平均して3~4 割程度「超加工食品」から摂っていることがわかっています。つまり、私たちの身体の30%~40%は超加工食品によって構成されているとも言えるのです。
そう考えると、非常に恐ろしいことではないでしょうか。
日本人はまだまだ平均30%~40%ですが、アメリカでは大統領もフィッシュバーガーが大好物!アメリカ国民の約70%が、身体の大部分を超加工食品で形成しているとも言われています。
では、グループ4の超加工食品の何が悪いのでしょうか?ここではその概略をお伝えします。
第一に、太りやすくなる点です。
基礎代謝カロリーを平均500㎉はオーバーし、しかも食べるスピードが早くなるため血糖値や塩分の影響で血圧の上昇、脂質異常を引き起こします。
第二に、寿命を縮める要因となります。
特に、心血管疾患や脳血管疾患の発症リスクを高めることがわかっています。
第三に、体内の慢性炎症を引き起こし、「ヒドロキシラジカル」などの活性酸素を増加させて老化を促進します。
第四に、不眠を招くことで「うつ病」や引きこもりを誘発しやすくなります。
それによって運動する機会が減り、人と会う機会も減ってしまうという悪循環が生じます。
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「超加工食品をより多く見積もるシナリオ」を見ると、年代別の場合18~39歳はおよそ50%、40~59歳がおよそ45%、60~79歳で30%超が超加工食品で占められています。
その内訳は以下の通りです:
1位: 穀類およびでんぷん質の食品(パンや麺など)32.2%
2位: 肉・魚・卵の加工食品 16.4%
3位: 菓子類 13.8%
4位: 調味料・香辛料 8.9%
5位: 油脂類 8.8%
この後に、缶チューハイ等アルコール飲料、加工された野菜果物が続いていきます。
やはり、加工された炭水化物が私たちの食生活の中心を占めているのが現状です。
私たちが健康で若さ溢れる身体を取り戻すには、超加工食品の摂取割合を20%以下に抑えて、ローフードや生野菜、果物などグループ1及びグループ2の食品を60~80%摂取する必要があります。
「BE-MAX RAW FOOD」 は別名リビングフード。もちろんグループ1カテゴリーです。生きている食品=リビングフードの割合を高めることこそが、健やかに健康寿命を高める秘訣なのです。