すべてがミュゼを利用する投資ファンドのためか
「ミュゼプラチナム」のMPH㈱が解散手続きへ!
負債総額は約260億円、未払い給与は約9億円
高橋英樹社長と担当弁護士が都内で記者会見開催
2025年6月6日、脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の運営会社であるMPH株式会社の高橋英樹社長と代理人弁護士が記者会見を開き、MPH株式会社の解散を決め、清算の手続きに入ると発表した。
代表清算人の武藤元弁護士(フォルム綜合法律事務所)によると、負債総額は約260億円。未払い給与が約9億円にのぼることを明らかにした。
MPH株式会社に関しては、5月16日、ミュゼプラチナムの元従業員ら10名が、東京地方裁判所に破産申し立てを行っていた。
その理由は、「給料未払い」、「全従業員への退社勧奨」、「まだ全国に2000人以上の従業員がいて、ぜったい放置できない」、「資産の流出を防ぐ」などがあげられていた。その時点では、給料の未払い約15億円。負債総額は300億円超とされていた。
今回、MPH株式会社が、会社を解散し、清算の手続きを発表したのは、その破産申し立てを受けての行動だが、わざわざ記者会見を開いたのは、ミュゼプラチナムの名前を使用する事業を今後も継続したいという思惑がある。新聞、テレビなどの報道によると、高橋英樹社長は「債権者による破産申し立てが行われている中、お客様の権利を保護し、従業員の生活を支援するためには、通常清算もしくは特別清算による法的整理を選択することが最善であると判断した」と語っている。
また今後、ミュゼプラチナムの従業員に対しては、未払い賃金立替払制度の申請支援や、失業給付金の受給に向けたサポートを実施するとしている。施術の残っている顧客に対しては、「新生ミュゼプラチナム」や「どこでもミュゼプラチナム」で施術を引き継いでいく方針だ。会社の清算手続きを行うには、債権者との事前合意が必要とされているが、それについては個別に対応していくとしている。
ミュゼプラチナムに関わる高橋英樹氏、三原孔明氏、三橋潤氏
高橋英樹氏が、ミュゼプラチナムの運営に関わるようになったのは2024年の5月頃からである。その後、ミュゼプラチナムの運営会社が会社分割などで次々に変わり、MPH株式会社が設立されて、三原孔明氏が代表取締役社長となり、大島正人氏が会長に就任した。
高橋英樹氏は、投資ファンドを展開するグローバルブリッジファンド合同会社の代表であり、ミュゼプラチナムの400万人の会員をアピールした投資案件を次々に企画して投資資金を集める。しかし、ミュゼプラチナムの経営は改善せず、給与の遅配や社会保険料などの未納が続いた。
そのうち、MPHの経営陣による内紛が起こり、三原孔明氏と高橋英樹氏側が勝利するのだが、経営状態はますます悪化し、給与の未払い、家賃滞納、社会保険料などの未納が続き、ついにミュゼプラチナムの全店が休業となり、全従業員に退職勧奨が出される事態に陥った。
その間、高橋英樹氏はMPH株式会社の代表取締役社長に就任、三原孔明氏は新生ミュゼプラチナム株式会社を設立し、メンズミュゼプラチナムの運営を行う社長に就任した。また、どこでもミュゼプラチナム株式会社(三橋潤社長)を設立し、ミュゼプラチナムのフランチャイズを展開するとして、投資ならびに加盟店を募集した。そのフランチャイズには、5月の段階で285店舗が加盟契約を締結済みであると発表している。
MPH株式会社、新生ミュゼプラチナム株式会社、どこでもミュゼプラチナム株式会社、3社の株式を所有するのはグローバルブリッジファンド合同会社であり、ミュゼプラチナムの商標権や営業権などすべてを保有しているとしている。高橋英樹氏は、ミュゼプラチナムの従業員への未払い給与の支払い、ならびに債権者への弁済などを誠実に対応していくと述べていたが、実際には何ら実行されないまま、今回のMPH株式会社の解散手続きに至った。
ミュゼプラチナム公式HP
MPH株式会社の会社解散および「ミュゼプラチナム」脱毛サービスに関する今後のご案内
https://musee-pla.com/news/2025/06/06/info
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