自然療法機構代表 平垣美栄子の 『植物療法』‐4
お手当と一汁一菜「はじめに」
まず、「お手当」と聞いて、人は何を連想するでしょうか?
怪我をした時の手当て、病気の治療、お肌を整えること、エネルギーを流すこと。
いろんな答えが返ってきそうですが、そうです、その人の立場や状況によって、見方は異なってくるのです。
病気や怪我をした際、患部に手を当てて治療したことから「手当て」という言葉が広まった、という説があります。
手のひらを患部に当てることで、体の不調を和らげていた時代があったということです。
絶対的な根拠こそありませんが、手のひらには何かしら不調を和らげる効果があり、患部に当てることで湿布のような役割を果たしていたとも言われています。だからこそ、痛みを感じる部分に本能的に、無意識に手を当てる所作も、うなづけるわけです。
なぜ、わたしが「お手当」をするようになったのか。この本編の中で、幼少の頃のことにも少し触れていきたいと思いますが、きっかけになったのは、いつものようにお客様にお肌のトリートメントをさせていただいた時のことです。
突然、お客様が泣き出したのです。
その方はご年配の方だったので、「手の圧が強すぎたのだろうか」とお声がけすると、「今、亡くなった父と母が会いにきてくれたの。ありがとう」と、感謝の言葉を述べられました。
また、別の日には、今度は20代の女性が来られた際、「1ヶ月前に亡くなった兄が会いにきてくれた」と、同じように泣き出されたのです。
そして、こんな方もいらっしゃいます。
「いつも心が折れることがあると、なぜか数日後には、きちんとお手入れをしてもらう予約が取れているの。」
偶然だと思われることは、これに限らず多々あります。
それまで、お肌のトリートメントだと思って動いていた所作が、ある“型”を取るようになったことで、不思議な効果が見られるようになったのです。
その型は、いつの日からかは分かりませんが、身体の内側から動かされるような感覚に身を委ね、施術に使っていたものでした。
そして、このようなことは、私ひとりの中に留めておくのではなく、もし、わたしのような施術者になりたいと思う人がいるのであれば、その時は、伝授しようと、覚悟を決めました。
そして、2022年の春、初めてこの「お手当」を人に伝えはじめました。
皆さまには、いつもこのようにお伝えしています。
「身体を美しく、健康な肌を作るということは、外部から強制的に変えられたものだけでは得ることはできません。それは、自らが美しい何かを生み出していくということに繋がるのです。
外から補正していくことだけを続けると、ただ、やり続けなければならなくなるだけではありません。いつも、やってもらえる、甘やかされて育てられた肌は、自らが美しいものを生み出す力を、失ってしまうのです。自分にとって何が必要かを見極める判断力、そして、美しく輝いたものを、他者に分かち合う力を持つことが大切なのです。
そして、心身ともに美しく整ったあとに、少しの食事をいただきます。この一汁一菜については、また改めてお話ししていきたいと思います。」
『お手当と一汁一菜のススメ』は、身体のこと、命のこと、植物のこと、私たちがどんな命に支えられて生きているのか、生きとし生けるものの繋がりのこと、そして、私たちがなぜ美しくなければならないのかを学ぶ時間です。
思い込みや固執をなくすために、レジュメは一切つくりません。覚えなくてもいいのです。
自分たちが本来持っている力を、柔らかく、人に手渡せるようになること。
それが、それぞれの素敵な役割を務めることに繋がるのではないかと、感じております。

平垣美栄子
一般社団法人 自然療法機構(NaO) 代表
1997年:フィトテラピーサロン「ディ・エステ・ガーデン」開設。ハーブを使った独自の技術を展開し、フィトテラピストの育成・講演活動を続けている。
2006年9月:ヒルデガルトフォーラムジャパンを立ち上げ、「ヒルデガルト自然学セミナー」を中心に自然療法の研究を深める。
ドイツのハイルプラクティカ、ペーター・ゲルマン氏を招致し、屋久島・穂高・高野山でフィトテラピー講座&イベントを開催。2016年にはドイツツアーを実施。
映画『緑のよろこび』(ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの哲学に触れる)のコーディネート&出演も務める。
2012年:一般社団法人 自然療法機構(NaO)を開設。全国の有志と共に、日本における自然療法の力を世界に発信する活動を展開。
活動の一環として「1本草プロジェクト」(福島・宮城編)を開始。
2015年~2019年:「NaOフェス」を年に1度開催。セラピスト・自然療法士の交流と情報交換の場として、京都一乗寺(2015)、明治学院大学(2016, 2019)、富士静養園(2017)、湯河原ご縁の杜(2018)などで開催。
2023年:雑誌『NaO』3部作を発行。
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