平垣美栄子の 『植物療法』

型にハマる事ない自由な生き方 2

2025.10.10

 

  自然療法機構代表 平垣美栄子の 『植物療法』‐3  

 

型にハマる事ない自由な生き方 2

 

前回お話したとおり、私は一番苦手なことにあえて挑戦してみたいという気持ちになり、組織というものに目を向けるようになりました。

 

最初は大好きな植物療法を中心に始めた組織も14年目。その14年間の日々は、さまざまな経験と素晴らしい学びを私に与えてくれました。誰かに依存することなく、お互いに波動を伝え合い、響き合って時間を動かしていく。

それは、植物から教えてもらったことでもあります。今はおかげさまで、植物療法に限らず、さまざまなジャンルの方々がこの団体に関わってくださっています。

 

組織に入る多くの方が疑問に思うことは、「この団体に入って、自分にどんな利益があるのだろう」ということです。私がずっと組織嫌いだったのは、まさにそこにあります。みんなのエネルギーが依存に向かい、自己の利益ばかりを求めてしまうということです。実は、その団体が向いている方向は、自分たちが作り出しているのだということに気づかなければなりません。

10年を過ぎた頃から、自然に依存型の人が減ってきたように感じています。日々出会う仲間たちの中には、想像を超えた生き方をしていたり、封建的な考え方から抜け出せていない頭では到底理解できないような生活スタイルを送っていたりする人もいます。

どんな仲間たちと生きていくのか、どんな智恵をもって生き抜いていくのか――私たちは、常に課題を突きつけられている時代に生きているのです。それは植物も同じこと。むしろ、植物のほうが私たちにとっては大先輩と言えるでしょう。

 

関西の芦屋に、27年間にわたり私の拠点としているサロンがあります。トリートメントは1日2名のみとなっていますが、芦屋滞在中は今もなお通ってくださるお客様が絶えません。旅をしながらも軸となっているのは、やはり拠点の地があるからなのです。そんな場所があるからこそ、安心していろんな場所へ飛んでいけるのです。

長年、素晴らしい人々と関わりながら自然療法を学びました。人との交流が私を育ててくれたのです。そして、自然療法というものが多くの気づきを与えてくれました。だからこそ、そろそろ自分だけでなく、その素晴らしい体験や出会った人たちを、他の人たちにも分かち合いたいと思うようになったのです。

 

このコラムの最初に少し触れさせていただいた雑誌「NaO」は、まさにその気持ちを形にしたものであり、まだまだ途中経過であることをお伝えしなければなりません。3部作で構成された雑誌は、ひとまず無事に終えました。

嬉しいことに、先日までいっぱいだった倉庫の中には、いつの間にか残すところ二箱になっていました。一番嬉しかったのは、旅先で「素敵だな」と思って立ち寄ったカフェに、自分が発行した雑誌が置かれていたことです。

 

雑誌に関するエピソードは山ほどあり、本当にひとつずつお話ししていきたいです。でも、その前に、今すぐにでもやっていかなくては間に合わない活動を、先にお伝えさせてください。それは、全国で始めた『お手当と一汁一菜のススメ』のおはなしです。

 

続く

 

平垣美栄子

一般社団法人 自然療法機構(NaO) 代表

 

1997年:フィトテラピーサロン「ディ・エステ・ガーデン」開設。ハーブを使った独自の技術を展開し、フィトテラピストの育成・講演活動を続けている。

2006年9月:ヒルデガルトフォーラムジャパンを立ち上げ、「ヒルデガルト自然学セミナー」を中心に自然療法の研究を深める。
ドイツのハイルプラクティカ、ペーター・ゲルマン氏を招致し、屋久島・穂高・高野山でフィトテラピー講座&イベントを開催。2016年にはドイツツアーを実施。
映画『緑のよろこび』(ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの哲学に触れる)のコーディネート&出演も務める。

2012年:一般社団法人 自然療法機構(NaO)を開設。全国の有志と共に、日本における自然療法の力を世界に発信する活動を展開。
活動の一環として「1本草プロジェクト」(福島・宮城編)を開始。

2015年~2019年:「NaOフェス」を年に1度開催。セラピスト・自然療法士の交流と情報交換の場として、京都一乗寺(2015)、明治学院大学(2016, 2019)、富士静養園(2017)、湯河原ご縁の杜(2018)などで開催。

2023年:雑誌『NaO』3部作を発行。

 

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