平垣美栄子の“植物療法”

平垣美栄子の“植物療法”、改めてのご挨拶

2025.06.17 New

平垣美栄子の“植物療法”

自然社会の革命家として

 

 

『エステティックジャーナル』WEB版のスタート、おめでとうございます。
平垣美栄子と申します。改めて、自己紹介をさせていただきます。

今「何をされている方ですか?」と聞かれた時、「セラピスト」「植物療法士」「サロンオーナー」「講師」「ヒルデガルト講演家」「エッセイスト」諸々の答え方があるのですが、正直なところ、どれもピンときているわけではありません。

今年最初の講演は、湘南・江の島のヨットハーバーでした。司会の方に肩書きを尋ねられたそのとき、思わず口をついて出た言葉がありました。

「自然社会の革命家でお願いします」

ふざけていたわけではありません。本当に、自然と出てきた言葉でした。

 

 

芦屋から始まった私の歩み

 

私の記事を初めて読む方のために、少し過去のお話をさせていただきます。

約40年前、私は関西・芦屋の町でエステティックサロンを開業しました。『美顔』『脱毛』『痩身』ができる、当時も珍しくない普通のエステサロン。けれど、ありがたいことに、人にも運にも恵まれて、10年間順調な日々を送っていました。

ところが1995年1月17日、阪神淡路大震災がすべてを変えました。家もサロンも全壊。想像もしなかった状況に直面しました。裏の家が燃える炎を見ながら、ふと思ったのです。

「いつ死んでもおかしくない世の中なら、行きたい場所に行き、やりたいことをし、会いたい人には会っておこう」

そして、以前一度は採算が合わないと諦めた「植物療法を、まずは学びにいきたい!」そんな思いが私の中で強くなっていきました。

数年後、ドイツのペーター先生との出会いがあり、今の私に繋がるのですが、この話については、また別の機会にお話しできればと思います。

 

植物療法と「場」の進化

 

植物療法を受けられるサロンとして再スタートしたのは震災から2年後のことでした。当時としては大変珍しく、全国紙の雑誌にも多数取り上げていただき、全国からお客様がいらっしゃいました。

その後、フィトテラピーの学校や協会、一般社団法人 自然療法機構(NaO)の設立を経て、サロンは「施術の場」から、「自然療法に関わる多様な人々が行き交う場」へと進化していきました。

現在でも、月5日間・1日2名限定でトリートメントは行っていますが、私が不在の際は、全国から仲間がサロンに訪れ、さまざまなセッションを提供してくれています。中には音楽家の方もいます。

 

私が目指す自然療法とは

 

今の私が目指す自然療法は、植物だけを用いるものではありません。どれだけ自然の恵みを使ったとしても、忘れてはいけない事があるのです。

それは、人の意識の中のとても大切な部分。

どの方向に意識が向いているのか、という事です。人は、ときおり「祈り」の中にそれを見出したりする事もあります。

 

 

自由に、型にはまらず生きること

 

進化したのはサロンだけではありません。私自身も、固定観念という名のブロックを外し、自由な世界にまっすぐに進んでいます。

肩書きにとらわれる必要はありません。自分を表すものであれば、どんな言葉でも構わないのです。昨年末には雑誌『NaO』の三部作を刊行しました。テーマは『人と森』『祈り』『暮らし』。この制作にまつわる面白いエピソードも、いずれご紹介したいと思います。

また現在、全国12ヵ所で「お手当と一汁一菜」という連続講座を展開しており、その活動のため、私の手帳は年内までびっしりと予定で埋まっています。今月はハワイ島にも招かれています。

 

 

最後に

 

私は、「型にハマらない自由な生き方」を伝えていくことが、今の自分にできる唯一のお務めだと思っています。

ここでもまた、植物のこと、出会った人々、美しい場所、そして忘れられない出来事について、綴らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

平垣美栄子

一般社団法人 自然療法機構(NaO) 代表

 

1997年:フィトテラピーサロン「ディ・エステ・ガーデン」開設。ハーブを使った独自の技術を展開し、フィトテラピストの育成・講演活動を続けている。

2006年9月:ヒルデガルトフォーラムジャパンを立ち上げ、「ヒルデガルト自然学セミナー」を中心に自然療法の研究を深める。
ドイツのハイルプラクティカ、ペーター・ゲルマン氏を招致し、屋久島・穂高・高野山でフィトテラピー講座&イベントを開催。2016年にはドイツツアーを実施。
映画『緑のよろこび』(ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの哲学に触れる)のコーディネート&出演も務める。

2012年:一般社団法人 自然療法機構(NaO)を開設。全国の有志と共に、日本における自然療法の力を世界に発信する活動を展開。
活動の一環として「1本草プロジェクト」(福島・宮城編)を開始。

2015年~2019年:「NaOフェス」を年に1度開催。セラピスト・自然療法士の交流と情報交換の場として、京都一乗寺(2015)、明治学院大学(2016, 2019)、富士静養園(2017)、湯河原ご縁の杜(2018)などで開催。

2023年:雑誌『NaO』3部作を発行。