「〇〇メイク」「〇〇タトゥー」も医師法違反との見解を発表、しかし最近摘発された4件がいずれも「不起訴処分」に!
一般社団法人日本コスメティックタトゥー協会の奮闘
令和7年12月26日付で発出された「美容所等におけるアートメイク施術について」と題する「医政医発1226第3号」、「健政衛発1226第1号」、「20251226商局第1号」は、厚生労働省医政局医事課長、厚生労働省健康・生活衛生局生活衛生課長、経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課長の連名で、各都道府県衛生主管部(局)長宛に出された通知である(各都道府県の保健所など)。
通知では、次のように示している。
令和7年8月15日医政発0815第21号厚生労働省医政局長通知(美容医療に関する取扱いについて)において示した、針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為のうち、施術箇所に本来存在しうる人体の構造物(眉毛、毛髪、乳輪、乳頭等)を描く行為及び化粧に代替しうる装飾(アイライン、チーク、リップ等)を描く行為の施術を行う美容所、エステサロン等に関する情報提供がなされている所である。
アートメイクの施術については、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反するものであることはすでに示している。
貴職におかれては、管下の美容所等において、その施術の名称(例えば、〇〇メイク、〇〇タトゥー、といったアートメイク以外の名称)を問わず、アートメイクの施術を実施するなど、医師法に違反する行為を実施することのないよう営業所等に周知徹底を図り、美容業務の適正な実施の確保を図られるよう、特段の配慮をお願いする。
違反行為に関する情報に接した際には、実態を調査した上、当該行為の速やかな停止を勧告する等、必要な指導を行うほか、指導をもっても改善が見られないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図られたい。
なお、本通知については、警察庁に諮り、内容について承知された上でお示ししているものであること、犯罪の成否は、捜査機関によって収集された証拠に基づいて、裁判所が最終的に判断するものであることを申し添える」というものであった。
厚生労働省医事課のほか、医師法違反との見解を示す通達を出すことのできない生活衛生課長、経済産業省ヘルスケア産業課長の連名で出されたこの通達は、警察庁の名前まで挙げ、エステサロンや美容サロン、アートメイクサロン等におけるアートメイク施術を事実上禁止する行政指導であった。
このような状況の中、最近、コスメティックタトゥー(アートメイク)施術を巡り、医師法違反被疑事件として摘発された4件が、いずれも「不起訴処分」となっている。
今回は、コスメティックタトゥーと称して、アートメイクと同じ施術を行っている一般社団法人日本コスメティックタトゥー協会の活動を紹介する。
「コスメティックタトゥー」の正しい技術と安全な普及のため、各政党や行政に積極的に働きかけ、業法・資格制度の確立を求める
一般社団法人日本コスメティックタトゥー協会(JAMS・中村秋菊会長)は、2016年、完全非営利団体として、コスメティックタトゥー(アートメイク)の正しい技術の普及と安全基準の確立、施術者の育成・社会的地位の向上を目的に設立された。衛生管理を徹底し、消費者と施術者の両方を守り、業界の健全な発展を目指している。
同協会は、各政党への陳情・面談・署名活動をはじめ、厚生労働省などへ働きかけ、業法・資格制度の確立を求めるなど、積極的な活動を展開している。
特に厚生労働省医事課とは、対面で4回、WEB面談を2回、㈱ぎょうせいとのWEBヒアリングを含めて計3回のやり取りを行っている。また、アートメイクが医行為に当たらないとした法学部大学教授による意見書の提出、電話での問い合わせ、同様の活動を行っている他団体とともにセッションへ参加するなど、コスメティックタトゥーへの認識を高め、理解を得るための折衝を繰り返している。
また、同協会は、「アーティスト技能検定」、コスメティックタトゥー業界初の「JAMS共済」を創設したほか、日本初となる「パーマネントメイクアップ国際大会」を大阪で開催し、国内外から総勢1,000名を超える技術者の参加を実現した。本年1月には、協会設立10周年を記念した「2026 JAMS Festival in Kyoto」を開催し、京都市議会議員や国会議員を招待。3月には、関係省庁、国会議員、専門家を交えた意見交換会に出席するなど、さらに活動を活発化させている。
同協会の会員サロンは、協会規約およびガイドラインに沿って、コスメティックタトゥー施術の営業を行っている。
また、業として施術を行っているサロンには、次のことが義務付けられている。
●開業届の提出
●共済保険への加入
●年1回の衛生講習の受講
●協会技能検定試験の受験
●麻酔の適正な取り扱い(無麻酔、またはオンライン診療により顧客自身が購入・持参・塗布することの徹底)
サロン内には、共済加入者証、協会技能検定ライセンス証、協会の見解書、お客様向けの説明・署名書類を常備し、衛生管理を徹底するなどの指導を行っている。さらに、SNSなどでは「アートメイク」という表現を使用しないことや、投稿内容に十分配慮することも指導している。
コスメティックタトゥー協会員が医師法違反容疑で摘発、事案4件がいずれも「不起訴」に!施術営業を継続!
エステサロンや美容サロン、アートメイクサロン等におけるアートメイク施術を事実上禁止する行政指導が出されている中、コスメティックタトゥー協会の会員サロンが、4件の医師法違反被疑事件で摘発された。
1~3件目は令和5年10月に北海道で起きた事件、4件目は令和6年に三重県で起きた事件である。容疑は4件とも、コスメティックタトゥー施術を行ったことによる医師法違反容疑である。容疑者とされたのは、サロンの代表者と施術を行った従業員であった。
4件とも、捜査令状を持った警察がサロンを捜査し、証拠品として携帯電話やパソコンなどを押収した。
その後、警察から呼び出しがあり、容疑者とともに、日本コスメティックタトゥー協会の顧問弁護士である伊藤雅大氏が同行。取り調べに対し、違法ではない正当な仕事をしているので、堂々と受け答えができるようにアドバイスするとともに、起訴された場合の準備を行った。
4件とも医師法違反容疑を認めず、裁判で争う姿勢を示したところ、いずれも不起訴処分となった。伊藤雅大顧問弁護士は、「不起訴の理由は明らかにされていないが、医師法違反とする訴訟における証拠が十分でなく、不起訴となったのであろう。今後、また医師法違反で捜査されないようにするには、このようなことの積み重ねが重要です」とコメントしている。
捜査を受け、不起訴処分となったアーティストのサロンでは、事件後もコスメティックタトゥー施術の営業を継続している。

不起訴処分の実例
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