アートメイクを医師法違反とする行政指導の違和感!タトゥーの協会に依頼してアートメイクを区別した医政局
そこまでして医療アートメイクを守る理由が分からない!
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「令和7年8月15日医政発0815第21号厚生労働省医政局長通知」において、「本来存在しうる人体構造物(眉毛、毛髪、乳輪、乳頭等)を描く行為及び化粧に代替しうる装飾(アイライン、チーク、リップ等)を描く行為は、医行為に該当するものである。そのため、例えば、〇〇メイク、〇〇タトゥー、といったアートメイク以外の名称で提供されていたとしても、かかるものに該当するものは医行為に該当する」という通知文書が発表された。
この通知の記載は、タトゥーとアートメイクを区別した上で、アートメイクが医師法違反に該当するとの考え方を示すためのものと受け取られる。
厚生労働省医政局が、アートメイクとタトゥーの違いを明確にできるほど、アートメイクに精通しているはずがなく、具体的にアートメイクとタトゥーの違いを規定できないと思っていたら、この部分の文書は、なんと、タトゥー施術の団体である、一般社団法人日本タトゥーリスト協会が、厚生労働省医政局より、協力依頼を受けて作成されたものであることが判明した。
厚生労働省医政局が、タトゥーの団体に協力依頼を行って、策定された文書を、通知文書に使用したのである。
これまで、厚生労働省医事課は、タトゥーとアートメイクは「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」と定義して、区別をしないまま、アートメイクだけが医師法違反に当たるとして、多数の医事課長通知を出してきた。
しかし、令和2年9月、最高裁判所は、タトゥー施術行為は医師法違反に当たらないという判決を決定した。それならば、アートメイクも医師法違反に当たらないと解釈されて当然である。ところが、最高裁判所の判決文の補足に「アートメイクは医療の一環として医師、看護婦が関与している実態があり、医療行為該当性が肯定できるものと考えられる」という、あいまいな付け足し文があり、厚生労働省医事課は、これを根拠に、アートメイクは医師法違反に当たるという見解通知を出し続けている。
それならば、アートメイクではなく、タトゥー師を名乗り、顔や頭皮にタトゥー施術を行えば問題はないので、その表現で行っていると、「タトゥーメイク」や「スカルプタトゥー」についてもアートメイクに該当するとして、前述の見解が示された。
タトゥーと同様の行為であるアートメイクを医師法違反と位置付けるために、このような手法が用いられたことについて、筆者は疑問を呈している。
また、ここまでしてアートメイクを医師法違反として行政指導を行う厚生労働省医事課の意図についても疑問が残る。
タトゥーとアートメイクの違いを示す通知文書の中に「本来存在しうる人体構造物(眉毛、毛髪、乳輪、乳頭等)を描く行為」とあるが、本来存在しうる人体構造物は、人体の全てであり、眉毛、毛髪、乳輪などと限定できるものではない。厳密にいえば、人体の全てに毛が生えており、それなら、タトゥーも人体にできないことになる。また、化粧に代替しうる装飾がダメというなら、タトゥーそのものが装飾なので、これもすべてダメということになる。このような内容で通知が発出されたことについても、疑問を抱かざるを得ない。
アートメイク施術に医師免許が必要としながら、医療機関の看護師や歯科衛生士の施術を容認
厚生労働省医事課は、アートメイク施術は、医療行為にあたり、医師の免許を有していない者が行えば、医師法第17条の医師法違反に当たるとしている。これは、医師の免許を有していなければ、アートメイク施術を行ってはならない、ということである。
しかし、医療機関におけるアートメイク行為(リップアートメイクも含む)では、医師免許がなくても、看護師免許、歯科衛生士免許を有していれば、その施術が容認されている。保健所へ医療機関登録済みの医療機関であれば、医師や歯科医師の指導のもと、医師免許がない看護師や歯科衛生士が業として、料金を取ってアートメイク施術が行われているのである。医師法第17条は適用されていない。たとえ医療機関であっても、原則として医療行為は医師が行うものである。看護師や歯科衛生士がアートメイクをできるとするならば、それは医療行為ではないということになる。
ところが、医療機関をやめた看護師が、医療機関以外のところでアートメイク施術をすると医師法違反で摘発される。厚生労働省医事課は、美容所やエステサロン等でのアートメイクを保健所で取り締まるなら、医療機関でのアートメイクも取り締まるべきである。
アートメイクは、女性・男性のメイクアップをはじめ、お年寄りの身だしなみ、スポーツ選手、病気やけがで失った部分への対処など、国民の需要が高く、医療機関だけで対応できるものではない。
厚生労働省医事課は、一般のアートメイクを、医師法違反容疑で取り締まるのではなく、施術する人の制度やルールを設けて指導すべきである。最高裁判所がタトゥーは医師法違反に当たらないという決定を出した中で、アートメイク施術に医師免許が必要であるとする行政指導は、国民のニーズや利益に反するとの意見もある。
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