【2026年最新データ】「節約志向」の波をどう乗り越える?女性のメリハリ消費と急成長する男性エステ市場のリアル

2026.08.04 New

 

   ホットペッパービューティーアカデミー研究員  田中公子の『データで見る美容業界』‐10 

 

【2026年最新データ】「節約志向」の波をどう乗り越える?女性のメリハリ消費と急成長する男性エステ市場のリアル

 

昨今の物価高騰などの影響から、サロンの現場で「お客様の来店サイクルが少し長くなったかもしれない」「以前よりお財布のヒモが固くなっているような気がする」と、少しシビアな変化を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、皆様が現場で感じられているその肌感覚は、最新の調査データにもはっきりと表れています。決して楽観視できる状況ではないものの、データを深く読み解くことで、次に打つべき手や新たなチャンスも見えてきます。
今回は、「美容センサス2026年上期」のデータをもとに、お客様のリアルな消費動向と、いま大きく伸びている「男性エステ市場」について紐解いていきます。これからのサロン経営のヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

 

文・作表 田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

≪目次≫

1. 2026年、美容サロン市場は「2兆5299億円」に縮小

2.サロン離れの最大の理由は、やはり「美容代の節約」

3.女性の美容消費は「一律カット」ではなく「メリハリ」へ!

4.逆風の中で大躍進!「男性フェイシャル&ボディ」市場

5.男性の「来店頻度」と「単価」アップが成長のカギ

6.まとめ:ピンチをチャンスに変える、これからのサロンづくり

 

 

1.  2026年、美容サロン市場は「2兆5299億円」に縮小

 

美容サロンの市場規模推計(2026年)と前年比

※市場規模は、サロン利用率、1 回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計

 

まず、業界全体の動きから見ていきましょう。「美容センサス2026年上期」では、2026年の美容サロン市場全体(男女合計)の規模は2兆5299億円となり、前年比でマイナス5.7%という結果になりました。

 

※市場規模は、サロン利用率、1 回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計

 

実は、理容室を除くすべての領域(美容室、リラクゼーション、エステ、ネイル、アイビューティー)で前年の市場規模を下回っています。例えば、美容室市場も前年比マイナス5.9%となっており、エステサロンだけの問題ではなく、美容業界全体が少し厳しい状況にあることが分かります。
「最近、少し落ち着いているな…」という現場の肌感覚は、決して皆さまのサロンの魅力が落ちたからではなく、業界全体を覆う大きな波の影響だと言えそうです。

 

 

  2. サロン離れの最大の理由は、やはり「美容代の節約」

 

美容サロンの利用が減った理由

※美容サロンの利用が減った人(女性 n=1,479、男性 n=831/複数回答)

 

美容サロンの利用が減った人に理由を尋ねたところ、「美容代を節約する必要が出てきたため」が女性40.8%、男性26.4%で、それぞれ最も高くなりました。女性では、節約を理由に挙げた割合が男性より高い結果です。
また、「サロンの料金改定(値上げ)のため」も男女とも2位となりました。生活コストへの意識やサロン料金の変化が、美容サロンの利用の仕方を見直す一因になっていることがうかがえます。

 

 

 3. 女性の美容消費は「一律カット」ではなく「メリハリ」へ!

 

【女性】1 回あたり利用金額(前年差降順)

詳細は各資料編(調査概要参照)

 

女性市場の減少に不安になられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、女性は美容にかけるお金をただ減らしているわけではありません。
データを見ると、美容室や理容室、アイビューティーサロンなど、「日常的な身だしなみ」に関わる領域では、1回あたりの利用金額は前年をキープ、あるいは微増しています。 一方で、エステサロン(ボディ/痩身)の1回あたり利用金額は7,042円(前年比マイナス15.1%)、フェイシャルは7,582円(マイナス4.6%)と、減少傾向にあります。
つまり、女性のお客様は「絶対に必要なもの」と「今は我慢するもの」をシビアに分ける「メリハリ消費」をしているのです。エステサロンは利用金額が減少していますが、お客様にとって「特別な日の贅沢」という捉え方はまだまだ多いのではないでしょうか。

エステサロンにおいては、施術を受ける目的や得られる体験、継続して利用する価値を、これまで以上に具体的に伝えることが重要になりそうです。

 

 

4.逆風の中で大躍進!「男性フェイシャル&ボディ」市場

 

【男性】美容サロンの市場規模推計(2026 年)と前年比(前年比降順)

サロン利用率、1 回あたり利用金額、年間利用回数と人口推計(総務省統計局)からの推計

 

 

女性市場でシビアなデータが続く中、一方で「男性のエステ市場」には大きなポテンシャルを感じる結果となりました。
全体的に市場が縮小する中、男性のエステサロン(フェイシャル)の市場規模は342億円に達し、前年比でプラス24.8%、エステサロン(ボディ/痩身)も369億円でプラス22.7%と、前年から大きく成長しています。

エステは性のあり方を問わず、男性にとってもフェイシャルやボディメイクが「当たり前の自己投資」として定着し始めていると言えるでしょう。

 

 

  5. 男性の「来店頻度」と「単価」アップが成長のカギ

 

【男性】市場規模前年比 TOP4 の利用率・1 回あたり利用金額・年間利用回数

詳細は各資料編(調査概要参照)

 

なぜ、男性エステ市場はこんなに伸びているのでしょうか?

男性のフェイシャル市場では、利用率が前年から大きく変化していない一方、1回あたり利用金額と年間利用回数がともに増加しています。市場の拡大には、利用者層の裾野が大きく広がったというより、既存利用者の利用頻度の上昇や、高単価メニューの利用が寄与した可能性があります。
男性利用者の目的や悩みを把握し、継続利用につながるメニューや情報を分かりやすく提案することが、成長機会を生かすうえで重要になりそうです。

 

 

6. まとめ:ピンチをチャンスに変える、これからのサロンづくり

 

「美容センサス2026年上期」のデータから、お客様のリアルな消費動向が見えてきました。

女性のお客様に対しては、「なぜ今、このケアが必要なのか」という本質的な価値を丁寧にお伝えし、メリハリ消費の中で「選ばれるメニュー」になるための工夫が必要です。
そして、驚異的な成長を見せる男性市場に対しては、メンズ向けメニューの導入や、男性が通いやすい雰囲気づくりなど、思い切ったアプローチが新たな売上を生むカギとなるでしょう。

節約志向という逆風はありますが、お客様の価値観の変化に寄り添い、柔軟に提案を変えていけるサロンこそが、これからも長く愛され続けるはずです。明日からのサロンワークのヒントに、ぜひお役立てください!

 

【データ出典】

株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2026年上期(美容サロン利用実態調査)」
調査発表日:2026年6月25日(木)
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2026 年 1 月 21 日(水)~2 月 12 日(木)
調査対象:全国、人口 20 万人以上の都市に居住する 15~69 歳の男女各 6,600 人
※調査結果の各数値は四捨五入の処理をして表示しているため、差分や合計値において単純計算した結果と 合致しない場合があります。
調査詳細URL:
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79134/
ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス 2026 年上期」各資料編より使用。
「美容センサス 2026 年上期≪美容室編≫資料編」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79106/
「美容センサス 2026 年上期≪理容室編≫資料編」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79140/
「美容センサス 2026 年上期≪エステサロン編≫資料編」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79142/
「美容センサス 2026 年上期≪リラクゼーションサロン編≫資料編」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79143/
「美容センサス 2026 年上期≪ネイルサロン編≫資料編」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79147/
「美容センサス 2026 年上期≪アイビューティーサロン編≫資料編」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/census/2026-1st-half/79149/

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員

外資系コンサルティングファームを経て、リクルート入社。2012年よりホットペッパービューティーのマーケティング・企画領域に携わり、現在はホットペッパービューティーアカデミー研究員として、美容に関する消費者行動の調査・分析、業界への提言を行っている。
これまでに発表してきた美容業界の調査は200本以上。数字に裏打ちされた洞察力と、現場やメディアでもわかりやすく語れる伝える力に定評がある。業界誌・一般誌・テレビなどメディア取材多数。セミナー登壇や研修講師としても活動中。
プライベートでは小学生2人の母。学校PTAの活動にも全力で取り組み中(2024年度、2025年度 PTA会長)。

 

 

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