保健所などから「無資格施術」の指摘を受けた場合に、エステティックサロンに準備しておくべき「重要文書」!

2026.07.24 New

 

保健所などから「無資格施術」の指摘を受けた場合に、エステティックサロンに準備しておくべき「重要文書」!

 

エステティシャンの「フェイシャル施術」が理容師法・美容師法に抵触しない合理的な理由

 

日本では、エステティシャンの公的資格制度が確立されていない。そのため、国家資格などの業務独占が定められている、理容師法・美容師法、あはき法(あん摩・マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)、医師法などから、類似する施術が資格を侵害しているのではないかという指摘を受ける場合がある。

その指摘が、保健所などの公的機関からであった場合、どのように対応すべきか分からないのが現実であろう。

そこで今回は、特定非営利活動法人 日本エステティック機構が、平成19年(2007年)、エステティックサロン認証事業、エステティシャン試験認証制度、エステティック機器認証事業を行うにあたり、厚生労働省医政局医事課ならびに厚生労働省健康局生活衛生課から、エステティシャンの施術が医師法や理容師法・美容師法にあたらないかについて、文書による照会を受け、それに対して提出した回答文書を紹介する。

この回答は平成19年当時のものであるため、脱毛に関しては現在(美容電気脱毛、美容ライト脱毛は医療脱毛とは明確に区別され、合法の範囲で実施)とはニュアンスの異なる部分もある。しかし、エステティシャンが行う「フェイシャル施術」「脱毛施術」「メイクアップ」について、施術できる合理的な理由が示されているので、ぜひ参考にしていただきたい。

※NPO法人日本エステティック機構(JEO)は、経済産業省の指導のもと、2004年5月に設立された、エステティックに関する認証活動を行う中立・公平な第三者機関。

 

 

エステティシャンの「フェイシャル施術」が理容師法・美容師法に抵触しない合理的な理由

 

エステティック業は、総務省の「日本標準産業分類」(大分類Q/中分類82/小分類829/細分類番号8292)において、独立した産業として分類されている。

日本標準産業分類では、「エステティックは、手技又は化粧品、機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整えるなどの指導又は施術」とされている。
エステティックにおけるフェイシャル施術は、全身美容の一部として、人の皮膚を清潔にし、もしくは美化し、体型を整え、又は体重を減じるための施術として行っている。それは、特定商取引に関する法律においても認められているところである。

顔面の表面上の美化のみを目的とする「頭髪の刈込、顔そり等の方法による容姿を整える」理容(理容師法第1条の2第1項)や、「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくする」という美容(美容師法第2条第1項)とは、その目的、方法及び対象を異にしている。

厚生労働省が出した通知(昭和42年2月16日環境第7030号)においても、美容師法第2条第1項が規定する美容は、「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等による方法」によるものに限られており、通常、首から上の容姿を美しくするものであり、全身美容は現行の美容師法における「美容」には該当しないとされている。

エステティックでは、全身美容としての手技構成を組み、首、胸、背面、顔面等に対し、あくまでも肌や身体を健康的で美しい状態に保護、保持するために、単なる顔面だけの表面上の美化行為とは異なった手技による施術を行っている。

従って、業界団体としては、フェイシャルは、美容師法の概念に抵触する行為とは考えていない。

 

 

エステティシャンの「メイクアップ施術」が美容師法でいう「化粧等」に当たらない合理的な理由

エステティックで修得するメイクアップ技術は、エステティック施術後の身だしなみ程度であり、一般消費者が自ら行うメイクアップと本質的な差異はない。花嫁メイクやパーフェクトメイクなど、美容師が業として行う特別なメイクアップではない。総合美を追求するエステティシャンとして、顧客にアドバイスするなど、メイクアップの知識や技術は、むしろ必要なものと考えている。

また、エステティックサロンでは化粧品の販売も行っており、厚生労働省が出した通知(昭和28年10月10日28公第10405号)でも、その目的が化粧品販売である場合には、その使用は違法ではないとされている。従って、エステティックサロンで行うメイクアップは、そうした観点からも美容師法に抵触するものではないと考えている。

 

 

エステティシャンの「脱毛施術」が医師法違反にあたらない合理的な理由

 

エステティシャンの脱毛とは、ムダ毛処理のことであり、エステティック業で行っている全身美容の一部として施術している。

 

ワックス脱毛について

エステティシャン認証制度において、2007年5月の指針で必要な修得技術とした「ワックス脱毛」は、昔からエステティックの基本技術として行われてきた、物理的に毛を抜く方法の一つであり、その方法の安全性、簡便性から医師法に触れないものと認識している。

 

美容電気脱毛について

エステティックで広く行われている「美容電気脱毛」については、かつてはさまざまな意見があったが、第141回国会・衆議院厚生委員会(平成9年11月26日)において、次のような厚生省の見解・提言が示された。

① 電気脱毛は医行為であるとの見解が出されているが、その後の機器の進歩、技術の向上等により、可罰的な違法性がないケースもあり、一律に取り締まりの対象にはならない。

② 業界団体は、自主的に技術水準の向上及び営業の適正化を図るべきである。

 

これらの提言を受け、エステティック業界団体では、安全な美容電気脱毛を確立するため、「美容電気脱毛技能検定試験制度」を1999年に創設した。同試験はすでに9年間の実績があり、登録者は6,609名となっている(2008年1月現在・当時の文書による)。こうした業界団体による自主的な技術水準の向上及び営業の適正化の努力の結果、関係行政機関からも「エステティックには業法がないので、業界団体が自主基準を作成し、遵守することが重要である。業界団体が自主的に消費者の安全を確保し、業の健全な育成に努めてもらいたい」との提言を受けた。

業界団体では、これらの提言に従い、自主的に消費者の安全・安心を確保するため、美容脱毛の自主基準を作成するとともに、美容脱毛の教育養成制度を整備し、これまでの美容電気脱毛技能検定制度を2008年に美容脱毛エステティシャン認定制度へ発展させるなど、従来にも増して技術者の技能向上に努めている。

このように、厚生省の提言に沿って業界が自主的に技術水準の向上に努めた結果、安全性の高い脱毛器を用い、安全に施術できる技術を有する技術者による美容電気脱毛が確立された。このような条件を満たし、安全性が確保された美容電気脱毛については、医行為、すなわち「医師に医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある一切の行為」(昭和39年6月18日医事44の2)には該当しないため、美容電気脱毛は医師法に違反するものではないとの認識を示している。

 

 

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