ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子の『データで見る美容業界』‐9
技術力だけではない!欧米豪のお客さまが日本の美容サロンに感動する「意外な理由」とインバウンド消費の実態
都市部や観光地を中心に、美容サロンでもインバウンドのお客さまの姿が見られるようになってきました。とくにコロナ禍以降は、東アジアからの旅行者だけでなく、「欧米からのお客さまの来店が増えた」というサロン現場の声も耳にします 。
もちろん、言葉の壁やオペレーションの違いなど、インバウンド対応には課題が多いのも事実です。しかし、彼らが日本のエステサロンにどのような魅力を感じているのかを知ることは、今後のサロン経営において重要なヒントになるでしょう。
ホットペッパービューティーアカデミーが2026年2月に発表した「欧米豪・訪日外国人旅行者の『日本の美容サロン』利用に関する実態調査」では、2025 年 8 月から 11 月にかけて欧米豪(欧州・北米・豪州)からの訪日外国人旅行者1,535人を対象に、「日本の美容サロン」利用に関する実態調査を実施しました。

文・作表 田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)
≪目次≫
1. 欧米豪の訪日旅行者の「5人に1人」が日本のエステ・スパを体験中
2.訪日リピーターになるほどサロン利用率が上昇傾向に
3.情報源の1位は「訪日前のSNS」。動画で疑似体験も。
4.旅先での美容サロン利用、最大の目的は「リラックス」
5.訪日旅行者が高く評価する日本の強みは「清潔感と衛生管理」
6.美容関連支出は2万円超!高付加価値メニューのポテンシャル
1. 欧米豪の訪日旅行者の「5人に1人」が日本のエステ・スパを体験中
訪日旅行者の美容サロン利用実態と利用意向

(n=1,535、複数回答)
※1今回の旅行期間中に、美容サロンに「行った」「予約済みである」(または行くことを決めている)と回答した人の割合
※2今後、日本で「行ってみたい」と思う美容サロンがあると回答した人の割合
欧米豪からの訪日旅行者の美容サロン利用率

(n=1,535、複数回答)
2025年8月から11月にかけての訪日旅行の中で、美容サロンを利用した(または予約済・行くことを決めている)人は42.6%にのぼりました 。さらに美容サロンの内訳を見ると、「マッサージ・リラクゼーション施設」が26.7%で最も高く、次いで「エステティックサロン・ホテルスパ」が18.7%と続いています。
つまり、日本を訪れる欧米豪の旅行客の約5人に1人がエステやスパを体験している計算になります。食や観光に加え、旅先で体験する美容サービスも、訪日旅行における新たなコト消費の選択肢になりつつあることがうかがえます。
2. 訪日リピーターになるほどサロン利用率が上昇傾向に
美容サロン利用率(訪日旅行回数別)

※今回の旅行中に「行った」「予約済み」「行くことを決めている」人の割合
今回の調査では、訪日回数が増えるほど美容サロンの利用率が高くなるという興味深い結果が出ています。訪日1回目の層では利用率が31.6%であるのに対し、2回以上のリピーターになると47.4%に上昇します。
さらに5回以上の層では54.5%と過半数を超えました。訪日経験を重ねた旅行者ほど、観光地巡りに加えて、日本での日常的なサービス体験(コト消費)を旅程に取り入れている可能性がうかがえます。
3. 情報源の1位は「訪日前のSNS」。動画で疑似体験も。
Q.日本の美容サロンの情報をどこで見聞きしたことがありますか。あてはまるものを全てお選びください。

(日本の美容サロン利用者(n=654)/複数回答)
インバウンドのお客さまは、どのようにして日本のサロンを見つけているのでしょうか。情報入手経路の1位は「SNS(Instagramなど)(訪日前に見た)」が56.0%でトップ、次いで「日本の街中や施設内で店舗を見た」が34.4%でした 。
実に過半数の方が、日本に来る前からSNSで情報収集を行っています。なかでも、ヘッドスパや、ヘアサロンの動画など、SNSの中でも「動画コンテンツ(施術風景や店内の雰囲気など)」は言葉の壁を越えやすく、訪日前の段階で「日本に行ったらこのサロンに行きたい」という動機をつくることにつながりやすいようです。
4.旅先での美容サロン利用、最大の目的は「リラックス」
あなたが日本で、美容サロンを利用した(利用しようと思っている)目的を教えてください。

(日本の美容サロン利用者・意向者(n=1,117)/複数回答)
日本の美容サロンを利用する目的の1位は、「リラックスしたかった(したい)」で64.0%を占めており、旅の疲れを癒やしたいというニーズが非常に高いことが分かります。街中の散策で「ふらっと入る」といったケースも少なくはないでしょう。
2位には「日本の技術を体験したかった(したい)」がランクインしており、コト消費としてのニーズがうかがえます。
5. 訪日旅行者が高く評価する日本の強みは「清潔感と衛生管理」
日本の美容サロンの魅力は何だと思いますか。

(日本の美容サロン利用者・意向者(n=1,117)/複数回答)
日本の美容サロンの魅力点として、接客(54.4%)や技術(52.9%)を抑えて1位になったのは「清潔感があり、衛生管理がしっかりしている(61.9%)」でした 。
日々のタオル交換や店内の清掃、器具の消毒といった日本では当たり前とも言える徹底した衛生環境は、外国人旅行者にとって大きな付加価値となっています。
6. 美容関連支出は2万円超!高付加価値メニューのポテンシャル
あなたは今回の旅行で美容に関わる支出(美容サロン、コスメ購入など)に総額いくら使いましたか(使う予定ですか)。

(日本の美容サロン利用者 ※美容医療利用者を除く(n=625))
最後に、インバウンドの美容消費額について見てみましょう。今回の旅行における美容サロン利用者の美容関連支出(美容サロン、コスメ購入など含む)の平均総額は2万630円という結果でした。
特別な旅先での体験として、安心できる良質なサービスにはしっかりと支出する傾向が見受けられます。円安も背景に、日本のコト消費に対するニーズはこれからも高まっていくのではないでしょうか。そのなかで美容サロンに対するニーズも広がっていくことが考えられます。
例えばエステであれば、贅沢なフルボディコースや、サロン専売のスキンケア化粧品などをセットにしたパッケージなども、インバウンド需要においてさらなるポテンシャルを秘めているともいえるのではないでしょうか。
【データ出典】
ホットペッパービューティーアカデミー「欧米豪からの訪日外国人旅行者の『日本の美容サロン』利用に関する実態調査」(2026年2月)
調査発表日:2026年2月26日(木)
調査手法:インターネットリサーチ(日本国内でポケットWi-Fiをレンタルした訪日外国人旅行者にメールでアンケートを依頼し、専用のWeb画面で回答してもらう形式)
調査期間:2025年8月7日(木)~11月25日(火)
調査対象:欧州・北米・豪州からの訪日外国人旅行者。1,535人(全体回収数2,086人のうち、対象者を抽出)
調査詳細URL:
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search/overseas/74787/
<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
外資系コンサルティングファームを経て、リクルート入社。2012年よりホットペッパービューティーのマーケティング・企画領域に携わり、現在はホットペッパービューティーアカデミー研究員として、美容に関する消費者行動の調査・分析、業界への提言を行っている。
これまでに発表してきた美容業界の調査は200本以上。数字に裏打ちされた洞察力と、現場やメディアでもわかりやすく語れる伝える力に定評がある。業界誌・一般誌・テレビなどメディア取材多数。セミナー登壇や研修講師としても活動中。
プライベートでは小学生2人の母。学校PTAの活動にも全力で取り組み中(2024年度、2025年度 PTA会長)。
注目動画のご紹介
【アーカイブ動画】顧客満足UPのカギ!サロンのリピートはいつ決まる?(期間限定配信)
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オトナ女性の心をつかむ!接客の極意[生配信/アーカイブ]
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